「離せよ」
「はいはい。おとなしくすれば考えるよ」
「考えるだけかよ!」
ユウマは諦めておとなしくなった。キョウスケはそっとユウマを解放する。
「よーしいい子だ」
「俺は子供じゃねぇ!やめろよ」
そう言われてユウマの頭を撫でてた手を挙げて、キョウスケは困ったポーズをした。そしてユウマと共に土手に座った。そこからは少年達が野球をしているのがみえる。
「死んだのはわかってる?」
「…わかってる」
死んだ人間の魂はどんどん人間であったこと忘れていって、死因を忘れた魂はこの世に行けず現世をさ迷うばかりだ。何十年もさ迷い続けた魂はあの世にもこの世にも受け入れられなくなりキョウスケ達のようになってしまう。キョウスケやアケミ達、魂回収係は何故死んだかも生きてた頃のことも思い出せなくなっている。しかし、彼らもふとした瞬間に死因や自分の死に関する記憶が蘇り成仏していったのもいる。最終的には成仏を目指している。魂回収係の仕事は死んだこと、この世をさ迷っている理由を思いださせてあの世へ案内することだ。また、この世の自分の記憶を見つけることにもある。
「俺…ここから離れたくないんだ」
「そうか」
「おじさんならさ、俺が死んだ理由わかるんだろ」
「そこまではわかんないなぁ。誰がそんなこと言ってた?」
「…最近成仏させられた人。その人もここに居て、何で死んだか思い出せないって言ってて、魂回収係の連中ならわかるのにって。それでそのあと、黒い着物を着た背の低い茶髪の女の人に連れてかれたんだ。俺は隠れてたんだけどさ」
と、ユウマは言い、うつむいた。キョウスケはそんなユウマにたいしてある提案をした。
「君の家に行ってみないかい?」
「…家なんか覚えてねーよ」
「そっかー」
「てか、俺、本当に死んでんの?」
「うん。確実に死んでるよ」
「実感ねーんだよ…、ここから動けないし」
「あー…呪縛霊一歩手前だね」
「呪縛霊…」
ユウマはそう言って自分の両手をみた。ユウマの手は半透明で、キョウスケの手より心許ない。
「俺、なんで死んだんかなぁ。おっさんなら分かるんだろ?なぁ、教えてくれよ!」
ユウマは怒鳴る。
「おじさんでは、わかんないんだよなー。死んだ理由を探し出す。これは君の宿題だ」
「使えねえー」
「ハハ、使えないとは酷いなぁ」
近くの河原ではユウマと同じくらいの少年達がまだ野球をしている。
「散策でもしないか?」
「は?いきなりなんだよ」
「動けないってことらここら辺で死んだんだろ?散策すれば、なにかヒントがあるかもじゃんか。な?」
ユウマは渋々了承した。